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もしかしてシックハウス症候群?!③

シックハウス症候群の原因はいろいろあると学びましたが、その一つにはダニなどの生物的要因も指摘されています。

 

この章では生物的要因について解説していきます。

生物的要因【室内環境中の真菌】

 

真菌=シンキンと読みます。いわゆるカビのことです。

お部屋の中にカビは必ず存在しています。カビは、壁などに付着すると、自らを増殖するために胞子を飛ばすのですが、その大きさは非常に小さく、2㎛~100㎛だといわれています。

ヒトの肉眼で見える限界が200㎛(1㎜の5分の1)といわれているので、肉眼での確認はできないほどの大きさです。

(そのほかスギ花粉は30㎛~40㎛、ハウスダストは10㎛~40㎛、黄砂は4㎛、PM2.5は1.2㎛~2.5㎛・・・ほぼヒトの目には見えていなということですね)

 

 

 

職業性の大量ばく露や確実に呼吸器系などの健康影響を与えることが報告されていますが、通常の居住室内環境での気中真菌濃度の上昇にがシックハウス症状に影響しているのかは、実はよくわかっていませんが、真菌は刺激性の化学物質を産生することがあります。またカビ毒を産生することもありますので、影響を考えたほうが自然です。

 

住宅の中で発生するカビは60種類ほどあるといわれていますが、その中でも特に代表的な4つのカビをご紹介します。

 

○空中の真菌

・クラウドスポリウム(クロカビ)

空中真菌の中で最も多い。あらゆる場所に発生。

中温性・好湿性。

わかりやすいのはタイルの目地に生えている黒いカビです。

高温、低温、乾燥、防かび剤にも強いといわれているタフなカビです。 

 

○アルテルナリア(スズカビ)

その名の通り、壁などにスス状に生えているのが特徴。

胞子がとても軽いので空気中に飛散しやすく、アレルゲンになりやすいカビです。

中温性・好湿性。

湿度の多い浴室や台所、結露した壁などに発生。

スズカビはプラスチックによく発生します。湿気の多い風呂場、洗面所などのプラスチックに繁殖します。クーラー内のプラスチックに発育して、エアコンの風に乗って胞子をまき散らします。

 

○ペニシリウム(アオカビ)

比較的乾燥に強く、地球上のいたることろに分布。

中温性(多くは30度以上で発育不良)

とくに食品類を好みます。

 

○アスペルギルス(コウジカビ)

自然界に広く検出される。

中・高温性の耐乾性から好乾性。

ハウスダスト、土壌、穀類、繊維などに発生。

 

表:カビの種類及び発生場所

 

浴室、台所

壁、洗面所

トイレ

居間、和室

靴箱、押入

室内空中

畳、木材

衣類

カーペット

絨毯

エアコン ハウスダスト
クロカビ  
スズカビ      
アオカビ  
コウジカビ  

○著しく多い △多い(CRCグループHPより)

~感染症~

カビは体内に侵入すると感染症を引き起こすことがあります。

水虫などもその代表的なものです。

水虫、たむし、かぶれなどは感染する場所が体表にあるため、表在性真菌症と呼ばれています。

それに対して、真菌が肺、肝臓、腎臓、脳など体の深部に入り込んで感染を起こすような状態を深在性真菌症といいます。呼吸や経口(食べること)によってカビが体内に侵入し、障害を及ぼすものです。手術後やステロイドや免疫抑制剤を投与されているような、免疫力が低下している方に起こりやすいです。


~カビ毒~

カビが代謝により生み出す有害物質は、なんと300種類以上!

カビが生み出す毒素のことを総称して「マイコトキシン」といいます。

カビそのものは加熱などにより死滅しますが、カビ毒は熱に強く、通常の加工・調理では十分に減少しないものもあります。多少古くなった食品でも、加熱すれば安心というイメージがありますが、カビが作り出す毒には通用しないでしょう。

また、カビ毒に汚染された農産物や食品を食べることで直接摂取する場合のほか、カビ毒に汚染された飼料を食べた家畜を経由して、カビ毒が乳や肉などの畜産物に移行し、それを食べることで摂取する場合もあります。そのため、農林水産省では、飼料に含まれるカビ毒に関して規制を行っていますが、消費者自身としても、気にしておく必要はあるでしょう。

 

~そのほか~

そのほか、カビを防いだり、除去する際に使う薬剤などの化学物質にも、シックハウス症候群の要因となるものがあります。

安心して使える防カビ剤、カビ取り剤を選ぶようにしましょう。

 

 

 

生物的要因【ダニアレルゲンなど】

 

カビと同じく、お部屋の中には多くのダニが存在しています。

日本で確認されている約1700種のダニのうち、100種は住居内に生息しているといわれています。

特に多いのはチリダニ科の【コナヒョウダニ】と【ヤケヒョウダニ】の2種類で、全体の7~8割にも及びます。

体長は約0.3mm程度で、カビの胞子や人のフケなどを摂食しています。

 

このダニは刺すことはありません。また生きているダニそのものがアレルギーを引き起こすのではなく、ダニの死骸やフンが原因です。死んで、細かく粉砕したしたフンや死骸は、空気中を舞っていて、吸い込むと気管支まで到達し、アレルギーを引き起こします。

 

 

ダニは増殖力がつよく大量発生する場合があります。

住居内のカーペットやぬいぐるみ、畳の使用や布製のソファー、ペットの飼育や寝具類の不衛生な管理は、ダニの生育場所として快適な条件がそろってしまう可能性があるので注意が必要です。

湿度が高い状態をこのみますので、乾燥した室内を維持するとともに、季節を問わず換気をこころがけましょう。

またダニの餌となる原因を取り除くように、こまめに掃除を行うようにするのが良い方法です。なお掃除機をかける際には、換気を心掛けましょう。

そしてダニは乾燥、高温に弱い性質を持っています。布団は干す、また乾燥器にかけて乾燥させるとよいでしょう。ダニを死滅させた後は、掃除機をかけることを忘れないようにしましょう。

またダニアレルゲンは水によく溶けるので、丸洗いできるクッションカバーや布団、シーツなど定期的に洗濯をするのも効果的です。

 

 

 

ダニは湿度が低いと生息しにくいので、湿度調整によりダニの増加を防ぐことができます。

ダニが生息しにくい湿度は40%~50%です。

夏場は、エアコンや除湿器を使用して室内の湿度を下げましょう。

春、秋、冬場はこもりがちな室内の空気を開放する換気、植物の設置や加湿器の使用により湿度を上げましょう。

 

☆湿度50%~60%はインフルエンザ予防にもよいといわれています。

 

 

次回は最後!シックハウスの物理的要因とその対策についてです